元ハンセン病患者のライフヒストリー研究 : 歌に託された喪失と許し
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概要
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本研究は,ハンセン病と共に生きる中で,どのような体験をし,生きてきたのかを明らかにすることを目的とするものである。本研究の協力者は,現在ハンセン病療養所に入所されているYさんである。うかがった人生体験を個人のライフヒストリーへと構成し,また面接内容を質的に分析した。その結果を<発症・入所から失明する前まで>,<失明してから「らい予防法」廃止前まで>,<「らい予防法」廃止から現在まで>と3期に分類すると,<ふるさとを追われる悲しみ>,<ふるさとに受入れられる>,<ハンセン病と共に生きてきた人生を受入れる>というそれぞれの時期に応じた中心的な気持ちが確認された。そして,国による非人道的な行為や,辛い体験のすべてを許し,喪失した人生を自分自身の唯一の人生として受け入れ,未来へ向かって生きようとしているYさんの人生が推測された。また,人生を語ること,人生の語りを聞くことの双方に重要な意味があると考えられた。
- 2003-09-25
著者
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