植食性ユスリカPolypedilum anticum(JOHANNSEN)について
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概要
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フィリピン産Polypedilum anticumの雌雄の成虫について記載した.本種は1932年にジャワから雄のみについて記載されたがその後はまったく報告のなかったものである.筆者は近年タイ・フィリピンにおいて水田の有用植物として知られるAzollaを食害するユスリカの同定を依頼されたが,その中に常に本種が含まれていることに興味をもった.特に1983年にフィリピンから送られた標本中には雄とともに多数の雌が存在していたので,本種の雌の記載がはじめて可能となった.本種の雄の翅は全く透明で無紋であるが,雌の翅は中央部に顕著な暗帯を有するため,雌雄が一見別種の観を呈することは興味深い.幼虫が植食性であることはユスリカ中でも例が少ないので注目に値する.
- 日本動物分類学会の論文
- 1985-12-25
著者
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