日本産Chironomus javanus KIEFFERについて
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概要
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本種は東南アジア・ミクロネシアなどに広く分布するユスリカであるが,近年日本からも採集され注目されている.1983年8月静岡市にも本種が多数発生したので研究を行った.成虫は前肢の第4〓節が第3〓節より長いこと,翅が非常に透明であること,腹部に斑紋を欠くことにより雌雄とも他の近縁種と容易に区別される.幼虫はChironomus kiiensisのものに似るが,頭殼がうすいこと,側鰓と肛門鰓が長いことで識別しうる.本種の卵塊は一般のChironomusのものと異り,扁平なリボン状を呈し,卵はすべて卵門を上に向け卵塊の水平面に対して垂直に配列するなどの著しい特徴を有する.卵発生や幼虫の生育は他種に比して速く増殖力が強いので,将来,夏期の公害種として日本の西南部に広く蔓延する可能性がある.
- 日本動物分類学会の論文
- 1984-12-25
著者
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