ポルトランド, 高炉におよび高硫酸塩スラグセメントの鉱化に関する比較研究
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概要
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主としてスラグ系セメントと対照としてのポルトランドセメントについて配合特に石膏添加量が硬化におよぼす影響を調べ, さらに水和度と液相組成の変化を測定し, それらの問の関係について研究した.各種セメントの強さに対し適当なSO3量はポルトランドセメントでは2.6%, 高炉セメントでは1,8%高硫酸塩スラグセメントでは7%附近に見出された. このような配合においてモルタルの液相のSO3濃度はポルトランドおよび高炉セメントでは1日で200-300ppm程度, 高硫酸塩スラグセメントでは3日以後でほぼ一定の500-600ppm程度となった.高硫酸塩スラグセメントの液相のCaOとSO3は3日までは急に減少するがSO3はCaOの当量以上に存在する. また連結養生でCaOとSO3濃度は非常に増し, 一度結合した石膏が再び遊離するのを認められ, これに対応して曲げ強さは相当に低下した.液相のpHは各セメント共1日以後はほぼ一定の値をとる. 高硫酸塩スラグセメントでアルカリ刺激剤が適量であると始めからpHは12附近に保たれるが, 過剰であると特に極く初期のpHが高くなり, 水和度はほとんど変わらないが強度の増進がさまたげられる.どの型のセメントにも強度をf, 水和度をIとした場合に回帰曲線f=aInがよく適合した. ポルトランドおよび高炉セメントではaが小さくnが大きいが, 高硫酸塩スラグセメントでは逆の傾向が見られる. またスラグ含有量の多いセメント程強さを負担する水和物が低温で脱水しやすい結合水を多く含むようであった.
- 社団法人日本セラミックス協会の論文
- 1960-03-01
著者
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