卵巣腹膜偽粘液腫のヌードマウス腹腔内移植系を用いたqsplatinとその拮抗剤、Sodiumthiosulfate投与実験

概要

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シスプラチンは卵巣悪性腫瘍に対して極めて強い抗腫瘍作用が認められている反面、副作用も強く、特に重篤な腎障害は致命的となることが多い。最近、Sodiumthiosulfateを2チャンネルで併用することにより、その副作用を軽減することができるとの報告がなされている。著者らはヌードマウス腹腔内に移植した卵巣腹膜偽粘液腫を用い、腹腔内にシスプラチンを投与し、Sodiumthiosulfateを皮下に投与する2チャンネル法でSodiumthiosulfateのシスプラチンの抗腫瘍効果におよぼす影響ならびに副作用軽減作用について検討した。その結果、1)シスプラチン40mg/kg、20mg/kg投与群ともにSodiumthiosulfateを併用することによって生存率は上昇した。2)シスプラチン20mg/kg投与群ではシスプラチン投与による体重の減少が、Sodiumthiosulfateを併用することによって抑制された。3)しかし、シスプラチンの組織学的抗腫瘍効果もSodiumthiosulfate併用によって抑制された。4)今回の研究では、シスプラチンによる腎臓、肝臓の組織学的変化は認められなかった。
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1986-07-01