子宮頚癌再発の早期診断
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概要
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子宮癌患者の追診法は確立されておらず,子宮頚癌の早期発見が薯しく進歩した今日再発の早期発見が遅れ,その管理が行きとどかず,患者の余命を短くする結果となっている. 著者らは,子宮癌患者の再発に注目して,先ず剖検9症例について,詳細な検討を行い,生前の臨床所見,検査所見を調査して,再発を疑わせる幾つかの徴候を見出したので,その頻度を再発・死亡群(21)例について検討した.なお,コントロール群(13例)は,治療後最低4年3ヶ月生存し再発のないものをあてた.再発を疑う臨床所見として,骨盤内再発では,腰部,下腹部,下肢の疼痛,浮腫が屡々罹患側に出現すること,更に傍結合織の結節や硬結,水腎症,尿管水腫の発現,反復性尿路感染が多くみられた.頑固な咳嗽は胸部レ線検査で肺転移を証明するのに欠くことが出来ない.臨床検査としては,血清アルカリ・フォスファターゼ,LDHの増加,血沈の亢進,末梢リンパ球比の低下を再発群に多く認めた.腟細胞診の異常は,組織診により確証が得られた.外表に近い腫瘤は,生検がなされた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1980-12-01
著者
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長谷川 温雄
神奈川県立成人病センター婦人科
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鈴木 忠雄
神奈川県立成人病センター
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根本 裕樹
神奈川県立成人病センター婦人科
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草場 徳雄
神奈川県立がんセンター外科5科
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草場 徳雄
横浜市立大
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升田 博
神奈川県立成人病センター
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