γ-glutamyl cycleによる胎盤アミノ酸輸送について : 特にSFD発生胎盤における特性とc-AMPおよびNa^+,K^+ ATPaseとの関係について

概要

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われわれはSFD発生の原因として胎盤におけるアミノ酸能動輸送の減弱があり,それは。-AMPの減少,Na^+,K^+ATPaseの減弱に起因するものであることを報告してきた.最近,γ-GTPとアミノ酸輸送との関連性が報告されていることからγ-GTPの胎盤中の存在の有無,胎盤でのアミノ酸輸送の関連性,SFD発生胎盤での動態を知ろうとした.そして,さらに,c-AMP,Na^+,K^+ATPaseとの楯互関係を検討した.その結果は次のようである.1)胎盤のGSH含量は妊娠初期胎盤が正常妊娠末期胎盤より有意に多く,SFD発生胎盤は正常妊娠末期胎盤よりやや低値を示した.2)γ-GTPの活性は正常妊娠末期胎盤で最も多く,SFD発生胎盤はそれより弱く,妊娠初期胎盤ではより有意に弱かった.γ-GT'Pのacceptorとしてはala.でわずかに活性がみられたことから,少なくともγ-GTPは胎盤ではala.輸送に関与している可能性が示唆された.3)γ-GTPはepinephrineによって活性化されたことからc-AMPの胎盤アミノ酸輸送機序としてγ-GTPを介して行なわれる可能性が考えられた.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1979-09-01