妊婦におけるEstriol-16-glucosiduronate(E_3-16G)の動態に関する研究
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概要
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生体内においてエストロゲンは大都分抱合型として存在している.今国他のエストロゲンに対して交叉反応が少なく又酵素氷解,抽出等の複雑た過程を必要としないdirect radioimmunoassay(direct RIA)を用い非妊婦,妊婦における血漿申,尿中のestriol-16-glucosiduronate(E_3-16G)を測定した.本実験に用いた測定法はこれらの試料の測定に十分な精度および再現性を有している.非妊時の血漿中E_3-16Gは非常に低く測定出来ないレベルであるが,尿中には0.0033〜0.022mg/lの範囲で排液されるのが認められた.妊娠第6週頃よりE_3-16Gの尿中への排泄量は非妊時のレベルより明らかに増加しはじめ,このころより胎児由来のエストロゲン産生の可能性が示された.妊娠の進行と共にE_3-16Gは血漿中,尿中とも増加した.すなわち妊娠第8〜12週では血漿中2.25±0.25ng/ml,尿中1.01±0.96mg/l,妊娠第21〜24週では血漿中13.61±7.76ng/ml,尿中8.73±7.91mg/l,妊娠第37〜40週では血漿中107.74±44.61ng/ml,尿中55.99±37.11mg/lであった.妊娠第10月妊婦における血漿中estriol(E_3),E_3-16Gならびに尿中E_3-16Gの相関関係を検討した結果,血漿中のE_3-16Gと血漿中のE_3との間には相関関係が認められるが,血漿中のE_3-16Gと尿中のE_3-16Gとの間には相関関係が認められなかった.すなわちE_3からE_3-16Gへの抱合において腎が大きな役割を果たしている可能性が示された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1979-05-01
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