新生児心拍数細変動と behavioral state

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概要新生児心拍数細変動の各behavioral stateにおける経日的変化を測定し、新生児における胎外生活への適応過程を検討した。また正常経膣分娩児と帝切児における適応過程に違いが存在するかどうかをも検討した。経膣分娩児47例・帝切児13例より得られた心電信号から分娩監視装置にてR疎ピーク検出トリガーパルスを作り、高速データ処理装置へ入力した。次にR-R間隔が280msec以下または700msec以上はエラーとして除去し、かつ隣接するR-R間隔差の絶対値(ABB)が60msec以上も除去し255個のR-R間隔毎にLTV、STVを算出した。LTVindexにはRR間隔の標準偏差をSTVindexにはABBの平均を用いた。behavioralstateはPrechtlのcriteriaを用いた。経日的変化をみると経膣分娩児のLTVはstate1とstate3においては僅に増加するがstate2とstate4においては生直後より漸増し生後3日日頃にはほぼ一定となつた。STVはstate1とstate4においてやや高値を示したが顕著な変動はなかつた。state5においてはLTV、STVはともに低値を示した。帝切児ではstate2におけるLTVが初期より高値を示したが、その他のstateでは経膣分娩児とほぼ同様の変化を示した。これらのパラメーターを用い判別分析を行うとstate1とstate2(的中率85%)、state3とstate4(的中率100%)はよく判別できたが、state1とstate3、state2とstate4は判別困難であつた。以上よりvariabilityの面から経膣分娩児の胎外生活への適応は生後3日目以後であり帝切児においては生直後より適応が認められると考えられた。またstate1とstate3そしてstate2とstate4の心拍数細変動は近似した状態であると考えられた。
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1986-05-01

新生児心拍数細変動と behavioral state

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