ヒト子宮内膜癌における細胞内ステロイド動態の多様性と不均一性 : 免疫螢光抗体法による検討
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概要
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子宮内膜癌12症例について,生検組織または手術時摘出標本より細胞を単離し,5×10^<-8>Mのestradiol-17β (E_2)またはprogesterone (P)を含む10%仔牛血清添加TC 199にて,37℃で1時間インクベートした後,塗抹標本を作製し真空乾燥機にて乾燥固定した.また,一部の症例については,凍結真空乾燥法により組織標本を作製したこれらの標本に,E_2-6-oxrme-BSA,P-3-oxrme-BSAを抗原として免疫した家兎より得た抗E_2および抗P抗体とFITC標識抗家兎IgG羊血清を用いて,免疫螢光抗体法(間接法)を施行した.子宮内膜癌細胞を37℃で1時間,E_2またはPとインクベートすると,(1)細胞質に螢光を認めるが,正常子宮内膜細胞で観察された温度依存性の核内螢光を認める細胞と,これを認めない細胞が混在している症例,(2)細胞質螢光は正常内膜細胞に比し弱く,且つ,温度依存性のE_2,Pの核内螢光がはとんど認められない症例,(3)全く細胞質螢光も核内螢光も陰性の症例,(4)正常内膜細胞とほぼ同様,細胞質螢光と核内螢光が陽性の症例が認められた.このうち,核内螢光が陽性の細胞と陰性の細胞が混在する症例が多く,12例中6例を占めた.また,この細胞内螢光分布に関する癌細胞集団の不均一性は,切片標本においても確認された.以上,内膜癌においてほとんどの場合,正常内膜細胞に比し,細胞質螢光の低下した細胞,細胞内螢光が陰性の細胞,温度依存性核内螢光陰性の細胞が認められ,癌細胞個々のレベルで,ホルモン依存性は多様且つ不均一である可能性が明らかになった.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1980-12-01
著者
-
岡田 弘二
京都府立医科大学産婦人科
-
加藤 淑子
京府医大
-
木村 順治
愛生会山科病院
-
木村 順治
京都府立医科大学臨床検査部
-
原田 清行
京都府医大
-
原田 清行
京都府立医科大学産科婦人科学教室
-
加藤 淑子
京都府立医大
-
広瀬 敏行
京都府立医科大学産婦人科学教室
-
名和 正訓
京都府立医大
-
広瀬 敏行
京都府立医科大学産科婦人科学教室
-
名和 正訓
京都府立医科大学産婦人科教室
-
木村 順治
京都府立医科大学産婦人科学教室
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