子宮内避妊器具使用者の組織学的並びに細胞学的研究
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概要
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IUDの子宮内挿入により, ***は直接或は間接に種々の影響を受けて, 生物学的, 化学航組織学的に変化すると考えられる.著著は97例のIUD使用者の生検内膜と1UDを装着したまま剔出した14例の子宮をヘマトキシリン・エオジンで染色し, 組織学的研究を行なつた.又, IUD挿入前後の126例の婦人の膣脂膏の塗洙標本をパパニコロー染色後, 細胞学的研究を行なつた.生検内膜では, 間質出血45.4%, 腺性増確27.8%, 間質性充盈26.8%, 炎症23.7%等が認められた.炎症の頻度は挿入期間の延長と共に増加した.炎症は非特異性慢性像で, 内膜の異物に対する反応であろう.剔出標本は, 肉眼的にはIUDの圧痕が認められ, 組織学的には, IUD接触内膜に被覆上皮の欠損, 内膜萎縮, 腺成分の減少、間質浮腫, 細胞浸潤等が認められた.子宮頚癌で剔出した子宮は, 癌浸潤部とIUD装着部の組織学的関連性はみられなかつた.膣剥離塗洙標本の細胞学的所見は, 内膜細胞と赤血球が挿入後1週間以内の標本にやや高頻度に認められた.挿入期間と細胞異型性の間に関連性はなかつた.IUDの子宮内装着によつて, 組織学的にも細胞学的にもIUDによつて惹起された重篤な変化は認められなかつたが, IUD接触部内膜にみられた変化は卵の着床に影響を及ぼすと思われる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1971-12-01
著者
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