子宮内避妊器具の臨床的調査
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概要
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一時は重篤な副作用や合併症の為に余り使用されなかつたIUDも, IshihamaやOppenheimerの報告後は世界的に広く使用される様になつた. 著者は, 熊本県内外の病院や医院産婦人科に於ける549例のIUD使用者の9,046婦人月につき諸事項を調査した. IUD使用者の年令層は31〜35才が最多で, 26〜30才, 36〜40才, 25才以下, 41才以上の順で, 経妊回数は4回, 3回, 2回等, 経産回数は2回, 3回, 1回等の順であつた. 中絶は1回が最も多かつたが, 全体の70%はその既往を有していた. IUD使用前の避妊法は, 用いないものが58.1%みられ, 用いられた避妊法ではコンドーム, コンドームとオギノ法の併用, オギノ法, ペッサリー等の順であつた. 挿入時期は, 月経後期, 中絶8〜14日後, 月経中間期, 中絶2〜7日後が多かつた. IUD挿入中の月経変化は27.1%にみられ, 周期の短縮, 量の増加, 期間の延長等が多くみられた. 挿入直後の副作用は高率にみられるが, その後漸減して9カ月で最低となり, 1年以後は再び増加した. 未妊婦と未産婦は副作用がやや高率にみられた. IUDによる子宮穿孔又は子宮壁内穿入の4例中3例は中絶直後の挿入例であつた. 挿入期間は1〜2年が最も多く, 除去理由は更新, 副作用, 妊娠希望の順であつた. 妊娠率は1.5/100婦人年であつた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1971-11-01
著者
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