家兎子宮内異物の避妊機序に関する実験的研究
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概要
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IUDの避妊効果は臨床的に高く評価され, 全世界での広汎な使用と共に, 臨床的, 基礎的研究も多数行われている. 著者は, 家兎の子宮内異物 (IUFB) の避妊機序に関する実験的研究を行つた. IUFBによる排卵障害は認められなかつたが, 着床障害がみられた. open end catheter法による子宮内圧測定で, IUFB挿入側子宮角は対照側よりも過緊張性の収縮曲線が認められた. 血清性々腺刺激ホルモン (PMS) 静注後第4日目は収縮は減弱化したが, 尚IUFB挿入側が対照側よりも強い収縮がみられ, 第8日目になると子宮内圧は著明に低下してきて両者間の差は認められなかつた. Clitheroe et al.がProstaglandinを抽出した方法に準じて, IUFB挿入側子宮角と対照側から夫々別個に抽出した物質のin vitroのラツト子宮自動運動への影響は, IUFB挿入側からの抽出物は直ちに運動を亢進させたが, 対照側からの抽出物は影響がなかつた. 組織学的には, IUFB挿入側子宮角に間質浮腫, 粘膜下層の増殖, 深層内膜腺の腺嚢性変化, 腺上皮の変性や剥離等が認められ, 対照側よりも重かつた. IUFB挿入により, 内膜の変化や子宮運動の亢進が起り, これらの因子が卵の着床障害に複雑に関与していると思われる.
- 1972-01-01
著者
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