初期人胎盤(特にSyncytium細胞及びLanghans細胞)の細胞培養 : 第2報
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概要
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著者は先に第1報(日産婦誌, 16:379, 昭39)^<1)>で初期人胎盤の細胞培養と培養細胞の形態的分類並びに細胞化学的所見について報告したが, 今回はAcridine Orange色素(以下 A.O 色素と略)を用いた二次螢光を応用して培養細胞の同定を試みたので報告する. 従来, 産婦人科領域に於ける螢光顕微鏡的研究は少く特に胎盤培養に於ては極めて少い. 1956年に嶋田^<2)>は正常人胎盤の螢光顕微鏡的研究を詳細に発表し, 妊娠前期絨毛上皮のSyncytium細胞(以下ジ細胞と略)とLanghans細胞(以下ラ細胞と略)は色調的に判別可能であるとした. 著者は同様に初期人胎盤にA.O染色を行い, その二次螢光を観察することにより明らかにジ細胞とラ細胞を色調的に判別し得た. これを同様にトリプシン処理を行い細胞単位に分離された初期人胎盤及び培養細胞に応用し, 各細胞の由来を追求し, また培養細胞の性状をも併せて観察しようと試みた. トリプシン処理により細胞単位に分離された初期人胎盤細胞(以下剥脱細胞と呼ぶ)及び培養細胞を位相差顕微鏡的観察及びGiemsa染色により形態的に 1) 多核巨大細胞 2) 上皮様細胞 3) 紡錘形細胞の3型にのみ分類し, これらのA.O染色による螢光所見について観察しこれを第1報の研究成績と比較検討した結果, 前回と同様に多核巨大細胞はジ細胞由来であり, 上皮様細胞はラ細胞由来の, そして紡錘形細胞はやはり間質細胞由来のものと推定すべき所見を得た.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1965-12-01
著者
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