初期人胎盤 (特にSyncytium細胞及びLanghans細胞の細胞培養 (第1報)
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概要
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Ross G. Harrisonに始まった組織培養は種々の変遷を経て組織片単位の培養より細胞単位の培養へと移って来た. 著者はこれ等先人達の技術を応用し人胎盤の細胞培養を行い複雑な人胎盤の機能を解析し, 或は絨毛性腫瘍の発生乃至増殖機構の解明に資せんとしている. 今回は主として正常初期人胎盤, 特にSyncytium細胞及びLanghans細胞の細胞培養を行い, 培養細胞を形態的に4型に分類しその各細胞を細胞化学的に同定した. 実験材料は人工妊娠中絶で得られたところの2〜3ヵ月の正常初期人胎盤を用い, トリプシン処理後37℃で静置培養した. 培養液はLD液又はYLD液にCalf serumを加えたものを用いた. 培養された細胞は位相差顕微鏡及びGiemsa染色により形態的に4型に分類した. 1) 巨大多核細胞 2) 上皮様細胞 3) 紡錘形細胞 4) 空胞をもった上皮様細胞の4型である. この各々に細胞化学的検索, 即ちGiemsa染色の他に脂肪, Alkaline phosphatase, Acid phosphatase, Glykogen, RNA, DNAについて検索した. 対照としてHeLa細胞, FL細胞, L細胞を用いこれ等の株細胞にも同様に上記染色を行った. この結果, 巨大多核細胞はSyncytium細胞由来であり上皮様細胞, 紡錘形細胞はそれぞれLanghans細胞及び間質性細胞由来であろう. 空胞をもった上皮様細胞の由来については不明である.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1964-06-01
著者
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