新生児期における内分泌諸臓器の Cyclic 3'5'-AMP 系の動態について
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概要
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新生児期は, 急激な環境変化のために乱れるホメオスタシスの調整期と考えられる.この調整機構には, 内分泌の機能動態が大きく関与していると考えられる.今回, 内分泌諸臓器の機能的発育とその調節機能を検討するために, 家兎新生仔の松果体, 視床下部, 下垂体, 副腎および性腺の臓器内 Cyclic 3'5'-AMP, AdenyI Cyclase, Cyclic Nucleotide Phosphodiesterase, ΔAMP, P.D.E.と以下略す)を同時測定した.1.ΔAMP濃度の経日的変動は三群に分けられた.松果体, 視床下部, 副腎では, 生後1日に比較して生後3日に増量, 生後7日に減少し, 以後変動のない増量傾向が持続した.下垂体は, 生後1日にはどの臓器に比較しても, 3〜6倍の1AMP濃度であるが, 生後7日まで連続して減少した.生後14日では他の臓器にはみられない著増を認めた.性腺では生後1, 3日と低値で変動が認められず, 生後7日にはさらに減少した.2.生後7日量での臓器内ΔAMP濃度の変動は, 副腎性ステロイド, ACTHテストの成績と良く一致し, 適応機構に関与する内分泌諸臓器の機能を, 良く表現していると考えられた.3.ΔAMP濃度からみた臓器間の相関性に就いては, 松果体と副腎とは生後3日目から95%信頼性のある有意の相関々係の存在が明らかになつた.視床下部と下垂体の間にも, 生後3日目から90%信頼性のある有意の相関が認められた.下垂体, 副腎には, 生後7日目から95%信頼性のある有意の相関が認められた.性腺系の相関々係の確立は, 生後14日以降となることが推測された.4.生後7日以降の, 各臓器におけるΔAMP濃度の変動をみない増量傾向は, 適応期を経た後の各臓器の機能的発育を表現すると推測された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1975-12-01
著者
-
武田 佳彦
岡山大学医学部産婦人科教室
-
秋山 暢夫
高知医大
-
占部 清
住友別子病院
-
秋山 暢夫
岡山大学医学部産科婦人科学教室
-
占部 清
岡山大学医学部産婦人科
-
相良 祐輔
岡山大学医学部産科婦人科学教室
-
山中 恵
岡山大学医学部産科婦人科学教室
-
山中 恵
Department Of Obstetrics And Gynecology Kochi Medical School
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