ヌードマウス移植人卵巣腫瘍継代系を用いたVincristine,Carboquone併用化学療法の基礎的検討
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概要
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卵巣癌治療成績の向上を目的として,より有効な癌化学療法を確立するためヌードマウス移植人卵巣癌継代系(JOG-1)を用いてVincristine(以下VCRと略),Carboquone(以下CQと略)の細胞動態を基礎とした実験継時併用療法を試み同時併用療法の効果と比較検討した.I)Percent Labeled Mitosis法を用いてJOG-1担癌ヌードマウスの腫瘍細胞動態を算出した結果,Tc=42.2hr.,Ts=13.8hr.等であった.II)VCR(0.1mg/kg,ip)投与で腫瘍細胞の部分同調の誘導をLabeling Index,Mitotic Indexより証明できた.この投与用量でVCRのsynchronizerとしての役割を確認した.III)VCRの腫瘍細胞への作用をもとにCQとの併用療法を施行し,細胞動態への影響を考慮したVCR投与24時問後CQ投与という継時併用化学療法で,より強力な抗腫瘍効果が認められた.IV)副作用は治療各群とも軽度であった.以上よりVCR,CQの腫瘍細胞への作用機序を基礎とした併用療法はヌードマウス移植人癌でより優れた殺細胞効果を認め,今後充分臨床に応用できる有効な投与法と考えられる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1983-11-01
著者
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