日本人子宮頚癌とHLA-DR抗原系
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概要
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子宮頚癌発症の機序に免疫遺伝学的因子の関与があるかどうかを検討するため,そのmarkerと成りうるHLA-A,B座抗原系と,D領域にcodeされ強い疾患との相関が期待されるDR座抗原系を検索した.対象は子宮頚癌患者66名で,健康成人206名を対照群とした.HLA抗原の検索は,NIH及びIntenational Histocompatibility WorkshopのStandard methodによった.1)子宮頚癌患者では健康成人に比べて,HLA-Bw46抗原が2.5%の危険率レベルで有意に高い出現率を示した.2)子宮頚癌患者では健康成人に比べて,HLA-DRw8抗原が5%の危険率レベルで有意に高い出現率を示した.3)患者群を上皮内癌群と浸潤癌群の2群に分け,それぞれの群を対照群と比較すると,前者ではすべてのHLA抗原に関して有意差はなかったのに対し,後者ではBw46抗原とDRw8抗原が1),2)の場合よりさらに有意な高い出現率を示した.4)Bw46-DRw8のHaplotypeについて,対照群では有意た連鎖不平衡はみられたかったが,患者群では有意な連鎖不平奮状態にあつた.5)A2-Bw46のHaplotypeについては,対照群,患者群ともに,有意な連鎖不平衡状態にあつた.以上,子宮頚癌患者,特に浸潤癌患者において,A2-Bw46-DRw8のHaplotypeが有意に高い出現率を示し,このHaplotypeに子宮頚癌増殖因子に対する感受性が存在する可能性があるとの示唆を得た.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1982-06-01
著者
-
八神 喜昭
名古屋市立大学医学部産婦人科
-
八神 喜昭
名古屋市立大学 産婦人科
-
須知 泰山
愛知県がんセンター病院 臨床検査部病理
-
青木 耕治
名古屋市立大学病院産婦人科
-
高木 孝
名古屋市立城北病院
-
青木 耕治
名古屋市立城西病院 産婦人科
-
高木 孝
愛知・城西病院
-
中根 茂雄
名古屋市立大学医学部産科婦人科学教室
-
赤座 達也
愛知県がんセンター臨床検査部
-
高木 孝聖
名古屋市立城北病院
-
片平 智行
名古屋市大
-
片平 智行
名古屋市立大学医学部産科婦人科学教室
-
青木 耕治
名古屋市立城西病院
-
須知 泰山
愛知県がんセンター
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