妊娠32週未満骨盤位の分娩様式からみた児の予後
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概要
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大阪府立母子保健総合医療センター産科 / 大阪府立母子保健総合医療センター企画調査妊娠23週から31週までで分娩となつた分娩時胎位が骨盤位147例の生産児を対象とし, 分娩様式と児の予後の関連性を検討し以下の結果を得た. なお骨盤位の帝切率は70.7% (104/147)であつた. 1) 骨盤位のうち帝切分娩した児の新生児死亡は7.7%であつたのに比較し, 経腔分娩となつた児の新生児死亡率は41.9%と有意に高値であつた (p<0.001). なお頭位327例の新生児死亡率は12.8%であつた. 2) 骨盤位では経腔分娩例が帝切例に比較し頭蓋内出血の発症率が高かつた (44.2%対25.0%, p<0.02)が, 呼吸急迫症候群の発症率(39.5%対28.8%)には有意差はなかつた. 3) 単胎例での経腔分娩骨盤位は分娩時の胎児心拍数図で胎児仮死を認める率が頭位と比較し高かつた (83.3%対46.3%, p<0.02). 4) 単胎経腔分娩骨盤位では生後1分のアプガー指数が4点以上の例に新生児死亡がなく, また新生児死亡をみた群とみなかつた群の間に在胎週数と出生体重で有意差はなかつた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1988-07-01
著者
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