超音波ドプラ法による妊婦の内頚動脈血流の研究
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概要
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妊娠中の脳循環の変化を推定するために, 内頚動脈の血流速度を超音波ドプラ法にて測定した. 測定対象は, 正常非妊婦17例, 正常妊婦50例(妊娠16週未満の妊娠初期群13例, 妊娠16週〜27週の妊娠中期群18例, 妊娠28週以降の妊娠末期群19例)であり, 次の結果を得た. 1) S_1(心収縮期第一最高血流速度), d(心拡張末期最高血流速度), M(平均最高血流速度), PR (PourcelotRatio), S/D (SD比), PI (PulsatilityIndex)は非妊娠群および妊娠の各群において左右差を認めなかった. 2) S_1, d, Mは非妊娠群に較べて, 妊娠初期群では有意に低下していた. 妊娠中期群は妊娠初期群よりも有意に高く, 妊娠末期群になると, 再度低下した. 3) 脳血管抵抗の指標と考えられるPR, S/D, PIは,非妊娠群よりも妊娠初期群で有意に上昇していた. また, 妊娠中期群と末期群の2群では妊娠初期群よりも低下する傾向がみられた. 以上より, 内頚動脈の血流速度は, 正常妊娠時には, 妊娠初期に低下し, 中期に上昇し, 後期に低下するパターンを示すことが指摘された. この原因として妊娠時の脳血管抵抗の変化が考えられ, その機序については, 妊娠に特有の低CO_2血症や心拍出量の上昇などの循環系の変化との関連が示唆された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1989-07-01
著者
-
清水 郁也
大阪府立母子保健総合医療センター
-
末原 則幸
大阪府立母子保健総合医療センター産科
-
池田 智明
宮崎医科大学産婦人科
-
末原 則幸
大阪府立母子保健総合医療センター
-
倉智 敬一
大阪大学医学部産婦人科学教室
-
倉智 敬一
大阪府立母子保健総合医療センター
-
倉智 敬一
大阪府立母子保健総合医療センター産科
-
倉智 敬一
大阪大
-
今井 史郎
大阪府立母子医療センター
-
清水 郁也
大阪府立母子センター
-
竹村 喬
大阪府立母子保健総合医療センター
-
清水 拓也
大阪府立母子保健総合医療センター産科
-
竹村 喬
府立母子医療センター
-
今井 史郎
愛染橋病院
-
池田 智明
宮崎医科大学 産婦人科
-
池田 智明
国立循環器病研究センター周産期・婦人科部
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