単クローン抗体を用いたロゼット抑制試験による Early Pregnancy Factorの検討
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概要
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妊婦血清中の免疫抑制因子のひとつEarly PregnancyFactor(EPF)の検出にあたり,従来の抗リンパ球血清に代えて抗ヒトTリンパ球および抗マウスThy-1単クローン抗体を導入し,より安定したロゼット抑制試験を実施した.この実験系により,次のような知見が得られた.1.妊娠マウスおよび妊婦血清は,ロゼット形成を抑制し,免疫抑制作用を示した.妊娠マウス血清は,マウス脾細胞のみならずヒトリンパ球のロゼット形成をも抑制した.これはEPFが,少なくとも一部において,種に非特異的作用をもつことを示すものである.2.マウスにおいてEPFは,交配後8時間で血清中に検出され,termの4日前に消失した.ヒトにおいてはEPFは1st,2ndtrimesterに検出され,3rdtrimesterには検出されなかった.3.切迫流産予後不良例では,ロゼット抑制は有意に低下した.また人工妊娠中絶術後18ないし24時間でロゼット抑制は消失した.4.EPFの起源について検討を加えるため,マウス体外受精系を導入した.二細胞期の受精卵培養液上清に,すでに免疫抑制作用の存在することが証明された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1984-04-01
著者
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