神経芽腫,原発部位からみたマススクリーニングの効果の検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
神経芽腫のマススクリーニング (以下,マス) 症例の治療成績は著明に向上したが,その大きな理由は予後因子のうち年齢と病期が良好なことによる. 我々のマス症例も全例生存しているが,最近の4症例は手術時肉眼所見としては副腎に密着し,副腎原発 (OS) と思われたが,実際には連続性はなく,組織学的に後腹膜原発 (OR) と判定される症例であった. そこで,マスの治療成績には予後因子の一つである原発部位の差 (OS が少なく,0R が多い) も影響していると推測し,当科症例 (OS と OR 74例) をマス前後に分け,比較検討した. その結果,マス以前 (33例9 の OR の割合は24%であったのに対し,マス症例 (14例) では57%と有意に OR が多かった. OR 症例はマス以前でも OS に比べ乳児の割合,予後良好病期の割合,生存の割合が比較的多い傾向が窺われた. これらより,従来 OS より予後良好な OR がマスに多いこともマスの成績向上に影響していると推測した. これまで,位置的関係のみより OS と判定されてきた症例にも,実際には OR とされる症例も含まれる可能性があり,今後も症例を重ね検討してゆきたい.
- 1995-04-20
著者
-
大沢 義弘
新潟大学小児外科
-
内藤 万砂文
新潟大学小児外科
-
岩渕 眞
新潟大学小児外科
-
近藤 公男
新潟大学小児外科
-
大沢 義弘
財団法人太田綜合病院附属太田西ノ内病院
-
大沢 義弘
新潟大学 小児科
-
内藤 万砂文
新潟大学 小児科
関連論文
- 17.膵炎を契機に発症した胃軸捻症の1例(第22回日本小児外科学会関東甲信越地方会)
- Opsoclonus-polymyoclonia syndrome を契機に発見された神経芽腫の3例
- C-98 マススクリーニング施行結果陰性例で 1 歳以降に発症した神経芽腫の特徴と治療法
- 3. 血液浄化療法を併用した小児重症膵炎の集学的治療(第 13 回日本小児人工臓器研究会)
- D61 小児重症膵炎に対する集学的治療
- 42 停留睾丸の部位診断におけるMRIの有用性についての検討
- 8.胆道閉鎖症術後症例におけるqastric myoelectric activityの評価(第31回日本小児消化管機能研究会)
- 7.小児dysmetility-like dyspepsia症例に対する六君子湯の効果(胃電図による胃運動機能評価)(第31回日本小児消化管機能研究会)
- 7. 胆道閉鎖症術後にβ-D グルカン高値を持続している 1 例 : 茵〓蒿湯内服との関係は?(第 6 回小児外科漢方研究会)
- 32. 当科における胆道閉鎖症術後 20 年以上経過症例の検討(第 27 回日本胆道閉鎖症研究会)
- A-22 在宅静脈栄養患児におけるマンガン蓄積に関する検討 : 微量元素製剤投与の面から
- SF31b-1 六君子湯は小児消化器外科手術後上腹部愁訴例のgastric myoelectric activityを刺激する
- 当科において肝門部腸吻合術を施行した胆道閉鎖症 88 例の年代別手術成績の検討
- 12. 等パワー胃腸電図マッピングによる短腸症候群症例の術後消化管運動機能評価の試み(第 29 回日本小児消化管機能研究会)
- 12. 当科における部分脾動脈塞栓術 (PSE) 症例の検討(第 12 回日本小児脾臓研究会)
- F40 経回結腸静脈的胃静脈瘤塞栓術後短期間で再出血を認めた肝前性門脈閉塞症の1女児例(肝・胆・脾)
- B45 Fecoflowmetry,内圧検査,臨床スコからみた鎖肛術後遠隔期集学的排便機能評価(直腸肛門)
- 2. 出生前診断で嚢胞を指摘された胆道閉鎖症の 1 例(新しい知見から, 第 25 回日本胆道閉鎖症研究会)
- 40. Nesidioblastosis の 2 例(第 33 回日本小児外科学会関東甲信越地方会)
- P-1263 長期予後からみた小児門脈圧亢進症に対する治療法の再評価
- P-203 ビデオ消化管透視併用の等パワー胃腸電図マッピングによる短腸症候群症例の術後消化管運動機能評価
- マススクリーニング時にのみVMA上昇を示した腹腔動脈周囲原発の神経芽腫の1例 : 手術, 術後管理に難渋した症例
- 新生児神経芽腫 Stage IVs の一例 : 術後の急激な肝腫大進行による呼吸循環不全で救命できなかった症例
- C24 小児肝癌におけるKi-67陽性細胞率の肺転移因子としての有用性
- Fecoflowmetry, 直腸肛門内圧検査, 臨床スコアからみた鎖肛術後遠隔期例排便機能評価
- 12. 胆道閉鎖症術前診断における ERCP の有用性(第 24 回 日本胆道閉鎖症研究会)
- 36.十二指腸潰瘍による狭窄に対し内視鏡直視下バルーン拡張術を施行した1例(第26回日本小児外科学会関東甲信越地方会)
- 27.乳児期におけるERCPの経験(第11回日本小児内視鏡研究会)
- 9.Opsoclonus-Myoclonus Syndrome を合併した神経芽腫の1例(第31回日本小児外科学会関東甲信越地方会)
- 10.先天性食道狭窄症の術前・後の食道内圧(第20回日本小児消化管機能研究会)
- 52 幼児期まで気管内挿管を要した新生児外科症例の発達的予後
- 7.食道狭窄症における術前・術後の食道内圧の変化(食道2 第15回小児消化管内圧研究会)
- 42.S 状結腸軸捻転症の乳児例(第21回日本小児外科学会関東甲信越地方会)
- 13.食道バンディング後に根治手術を施行しGERを呈した先天性食道閉鎖症の1例(第21回日本小児外科学会関東甲信越地方会)
- 小児卵巣未分化胚細胞腫の2治験例と小児卵巣腫瘍15例の検討
- 小児外鼠径ヘルニア手術時における局所神経ブロックの効果の検討
- 23.胆道拡張症との鑑別が困難であった I cyst 型胆道閉鎖症の1例(ミニシンポジウム:I cyst型について, 第20回日本胆道閉鎖症研究会)
- 9.胃破裂術後症例の胃電図の検討(第23回日本小児消化管機能研究会)
- C1 神経芽腫の核DNA量解析 : 組織所見からの検討
- 91 CBA術後症例に対する、利胆剤としてのUDCA投与の妥当性(UDCA経口負荷試験からの)
- 253 Flow cytometryによるヒト神経芽細胞腫株の抗癌剤効果判定の実験的研究
- 98 ヌードマウス可移植性ヒト肝芽腫株の生物学的特性
- 鎖肛術後における排便機能評価と注腸および直腸肛門内圧所見の関連について
- 5.先天性胆道閉鎖症術後のUDCA経口負荷試験について(第15回日本小児外科代謝研究会)
- 26.脾摘後に敗血症の発症をみた1新生児例(第19回日本小児外科学会関東甲信越地方会)
- 14.先天性横隔膜ヘルニアに新生児胃破裂を合併した1治験例(第18回日本小児外科学会関東甲信越地方会)
- 27.先天性胆道閉鎖症に対するプロスタグランディン E_2 投与の試み(第10回胆道閉鎖症研究会)
- 28 Stage IV-A神経芽腫に対する積極的外科治療と科学治療併用の効果について
- IV-22) 興味ある Dumb-bell 型神経芽腫群腫瘍の3例(IV 亜鈴型腫瘍または転移の症例, 神経芽腫群腫瘍の臨床)
- 13.先天性表皮水疱症を合併した先天性幽門閉鎖症の1治験例(第17回日本小児外科学会関東甲信越地方会)
- 180 ED-P 投与による血漿中アミノグラムの変動の検討 : エレンタールとの比較
- 167 小児における鎖骨下静脈穿刺法の検討
- 252 小児肝癌の予後を左右する因子の検討 : 特に組織学的血管侵襲について
- 62.人工肛門造設後,直腸肛門反射を認めたHirschsprung 病の1例(第16回日本小児外科学会関東甲信越地方会)
- 左腰筋に発生した非外傷性骨化性筋炎 Pseudomalignant miositisossificans の一例
- 長期抗生剤投与による難治性下痢に対して注便療法が奏功した一乳児例
- 腹腔内破裂をきたした肝原発 Undifferentiated (Embryonal) Sarcomaの1例
- 42 小児慢性便秘症における注腸造影と直腸肛門内圧測定の検討およびその治療法
- 鼠径部の浮腫を契機に発見された骨盤部神経芽腫の1例
- 1. 過敏性肺臓炎として治療中に発見された小児食道アカラシアの 1 例(第 28 回 日本小児消化管機能研究会)
- 21. 経皮的ドレナージにより治癒し得た小児肝膿瘍の 1 例(第 27 回 日本小児外科学会関東甲信越地方会)
- 25. 胃電図からみた食道閉鎖術後 GER 症例の検討(第 27 回日本小児消化管機能研究会)
- A-15 小児肝癌におけるp53抗体の臨床的有用性の検討(腫瘍(2))
- 2. 肛門膣前庭部瘻に対する肛門移動術 Potts 術の成績 : 特に合併症治療について(主題 肛門膣前庭瘻に対する術式とその成績, 第53回直腸肛門奇形研究会)
- 41. 術後に肝外性門脈閉塞をきたした重症膵炎合併先天性胆道拡張症の1例(第30回日本小児外科学会関東甲信越地方会)
- 28. 回腸閉鎖を合併した全結腸型ヒルシュスルング病の1例(第30回日本小児外科学会関東甲信越地方会)
- 6.胆汁外瘻の胆汁中胆汁酸組成について(一般演題, 第22回日本胆道閉鎖症研究会)
- 2.脾臓摘出後に緑膿菌性敗血症をきたした胃破裂の1例(第2回 小児牌臓研究会)
- C64 小児膵外傷7例の治療経験
- G35 腹部外傷を契機に発見された小児の腎細胞癌の一例
- 神経芽腫,原発部位からみたマススクリーニングの効果の検討
- 神経節腫への分化をみた stage IV A 混成型神経節芽腫の1例
- 69 Hirschsprung病術後遠隔成績の検討 : 術後7年以上経過例について
- 22.特発性胎児水腫に発症した胃破裂の1例(第20回日本小児外科学会関東甲信越地方会)
- 86 新生児胃破裂の合併病変 : Impending rupture, 胃穿孔との関連について
- 229 小児外科症例におけるPFD試験の検討
- 43.血管腫を合併した巨大乳児肝嚢胞の治療経験(第16回日本小児外科学会関東甲信越地方会)
- S状結腸軸捻転症の乳児例
- B11 新生児期に消化管穿孔をきたしたHirschsprung病症例の検討
- 15.CBA 術後減黄症例に対する,ウルソデオキシコール酸経口負荷試験の臨床的評価の検討(第18回胆道閉鎖症研究会)
- 8.先天性食道閉鎖症術後のGERにおける術前,中,後の食道内圧の検討(食道(1), 第12回小児消化管内圧研究会記録)
- S-II-3 小児肝癌の診断
- CSII-3 小児, 肝芽腫の拡大右葉切除について : 尾状葉切除と腫瘍の下大静脈からの遊離(第21回日本消化器外科学会総会)
- 95 術前、全結腸型潰瘍性大腸炎が疑われた乳児期発症の大腸型クローン病の1例(大腸-3(IBD))
- リンパ節転移を伴った乳児後腹膜原発未熟型奇形腫の1例
- B28 胃破裂術後症例の胃電図の検討
- 286 極小未熟児外科症例の検討 : 特に管理上の問題点について
- VIII-48) 肝転移巣において神経芽腫から神経節腫への分化をみた stage IVA 混成型神経節芽腫の1例(VIII 分化・成熟を示唆する症例および分化誘導療法, 神経芽腫群腫瘍の臨床)
- 6.胆道閉鎖症術後における^Tc-GSA 肝シンチグラムの検討(第21回 日本胆道閉鎖症研究会)
- 32.rectal membranous atresia に対する内視鏡的治療の試み(第28回日本小児外科学会関東甲信越地方会)
- D44 胆汁酸分画からみた胆道閉鎖症におけるウルソデオキシコール酸投与量の検討
- 41. 発症後早期の手術および血液浄化療法が有効であった小児重症膵炎の 2 例(第 32 回 日本小児外科学会関東甲信越地方会)
- 59.石灰化上皮腫について : 10年間,173例の検討(第18回日本小児外科学会関東甲信越地方会)
- 290 小児胃・十二指腸潰瘍手術症例の検討 : 学童期慢性症例の手術適応と術式について
- 133 腫瘍核 DNA 量からみた神経芽腫マス・スクリーニングの問題点
- 鎖肛を伴わない直腸膣前庭瘻 : 症例報告と成因分析
- 8.胆汁外瘻造設時にパック内に採取した胆汁の胆汁中胆汁酸組成の変化(第19回日本胆道閉鎖症研究会)
- 86 胆道低形成とその類似疾患の臨床的組織学的検討
- 21. 新生児穿孔性腹膜炎 (胃破裂, 壊死性腸炎) の治療成績と問題点(IV「消化管穿孔の病態と治療」)
- 92 十二指腸閉塞症における高ビリルビン血症についての肝の組織学的検討