尖圭コンジローマのレーザーによる治療成績
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概要
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尖圭コンジローマ78例(外陰51例, 腔部11例, 腔壁1例, 複数の部位にわたるもの15例)に3種のレーザー光を用いて治療を行い以下の成績を得た. 1. 一次治癒した外陰45例, 腔部16例, 腔壁8例での各部の治療後上皮化終了までに要した期間は, それぞれ4.4±1.8, 5.2±1.1, 4.1±0.6週(Mean±SD)であった. 2. 初回治療後10週の時点での一次治癒率は78例中61例, 78.2%であった. 3. 治療後10週〜63カ月(平均18.8カ月)の観察期間中での初回治癒率は78例中55例, 70.5%であった. 延ベ病巣部位別では外陰70.3%, 腔部84.2%, 腔壁72.7%となる. 4. 病巣部位別再発25例では, 外陰19例中14例, 73.7%が治療後5週までの再発で, うち1週以内の6例は照射野外にみられた. 腔部ではすべて治療後5週までに照射野内に再発した. 5. パートナーの罹患は, 再発例では62.5%(10/16)と非再発例の26.3%(10/38)に比し有意に高かった(p<0.05). 6. 副作用は疼痛や熱感を高頻度に訴えたが, 照射後も含めて重篤なものはなかった. 本療法は副作用が少なく短期間のうちに治癒させ得る優秀な治療法であると判断された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1991-02-01
著者
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