小児奇形腫の検討 : 特に未熟,悪性奇形腫の診断と治療について
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概要
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小児奇形腫群腫瘍の54症例中,未熟奇形腫は8例,悪性奇形腫は10例で,その発生部位は卵巣21例中未熟3例,悪性5例であり,精巣1例中悪性1例,仙尾部18例中未熟4例,悪性3例で,後腹膜9例中未熟1例,縦隔3例中悪性1例であった.悪性の組織型は未分化胚芽腫4例,胎児性癌3例,卵黄嚢癌3例であった.これらのうち小児腹部腫瘍で鑑別を要する卵巣,仙尾部,後腹膜の奇形腫群腫瘍,特に未熟,悪性奇形腫につき診断と治療方針および成績を検討した.卵巣未分化胚芽腫症例は腫瘍および同側卵巣卵管摘除術を行い,さらに術後療法として,Stage III症例の1例にCPA大量療法,もう1例に照射療法を行い, Stage IV 症例の1例に縦隔リンパ節転移巣の切除とCPA大量および照射療法を併用し,全例再発なく生存中である.卵巣未熟奇形腫の腹腔内再発を来した1例は摘除とVAC療法を行い,成熟神経線維からなる腹膜播種は経過観察し,腫瘍付属器摘除術後2年で両側肺転移を来した1例は肺転移巣を切除し,両例とも以後再発はない.また胎児性癌の1例は術後T2療法を行い再発はない.全例11歳以降には月経も発来し,経過良好である.仙尾部未熟奇形腫の3例は完全摘除後化学療法は行わず,仙尾部卵黄嚢癌のStage III の1例はPVB療法後完全摘除術を行い,術後PVBとHigh dose VAC療法で再発の徴候はない.後腹膜の成熟奇形腫の腹膜播〓例は術後経過観察で,また未熟奇形腫の1例は腫瘍摘除術後化学療法を行わず,経過良好である.
- 日本小児外科学会の論文
- 1993-08-20
著者
-
内山 昌則
新潟大学医学部小児外科
-
岩渕 眞
新潟大学医学部小児外科
-
大沢 義弘
新潟大学医学部小児外科
-
広川 恵子
新潟大学医学部小児外科
-
内藤 万砂文
新潟大学医学部小児外科
-
八木 実
新潟大学医学部小児外科
-
飯沼 泰史
新潟大学医学部小児外科
-
松田 由紀夫
新潟大学小児外科
-
松田 由紀夫
新潟大学医学部附属病院小児外科
-
大沢 義弘
財団法人太田綜合病院附属太田西ノ内病院
-
大沢 義弘
新潟大学 小児科
-
内藤 万砂文
新潟大学 小児科
-
広川 恵子
新潟大学医学部附属病院小児外科
-
八木 実
新潟大学医学部付属病院小児外科
-
松田 由紀夫
新潟大学医学部小児外科
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