大腿筋筋腹の位置に関する解剖学的,計測学的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
大腿諸筋の筋度の位置に関する報告は極めて乏しい。本研究は表面筋電図法で電極を設置する部位として従来使用されている筋腹の位置について,解剖学標本では直接測定法および断面計測法を用いて,また生体についてはコンピューター断層撮影法により明らかにしたものである。その結果,次のような成績を得た。1)41例(男性27例,女性14例)の解剖学標本を用いて,まず直接測定法で大腿の筋の筋全長と筋起始部から最大周囲部(筋腹)までの計測を行い,筋全長に対する筋起始部から筋腹までの比を求めたところ,全例の平均値では大腿前面の筋でM.sartoriusが24.4%,M.rectus femorlsが30.8%,M.vastus medialisが59.2%,M.vastus latera1isが32.8%の位置がそれぞれ最大であった。大腿内側の筋では筋起始部からM.gracilisが15.2%,M.adductor longus力主67.9%の位置が最大であった。また大腿後面の筋ではM.biceps femoris(caput longum)が44.1%,M.semitendinosusが29.3%,M.semimembranosusが65.6%にそれぞれの筋腹をもっていた。しかしながら筋腹の位置に関しての男女差,年齢差は認められなかった。2)次に3例の解剖学標本を用い,断面計測法によりM.sartoriusとM.rectus femorisの2筋について,筋腹の位置および切断面破を算出したところ次のような成績を得た。M.sartoriusでは筋起始部から29%の位置が,またM.rectus femorisでは29%と33%の位置がそれぞれ最大面積を有し,その断面積はM.sartoriusが1.3cm^2,M.rectus femorisでは3.5cm^2であった。3)さらに以上の解剖学際本の成績と生体の筋腹の位置に相違があるか否かをみるために,成人男性5名についてコンピューター断層撮影により,M.sartoriusとM.rectus femorisの2筋について険討したところ,M.Sartoriusでは筋起始部から25〜29%の位置に,またM.rectus femorisでは29〜33%の位置がそれぞれ最大であり,その断面積はM.sartoriusが2.9cm^2,M.rectus femorisでは11.4cm^2であった。これらの筋復の位置は解剖学標本で得た結果とほぼ一致していた。4)以上の点から直接測定法による筋腹の値は生体における他の大腿筋についても有効な数値であると考えられる。
- 1984-02-01
著者
関連論文
- Cis-DDPの腎毒性に対するElastaseの効果(第1報) : 第50回東部総会
- 白血球の活性アミン(5HTP,L-Dopa,Noradrenaline)取込みに対するHaloperidolの効果
- 妄想の強い患者にみられた白血球の緑色蛍光物質
- Methamphetamine投与による白血球蛍光物質の変動
- 57 活性アミンに対する白血球の取込みと白血球膜adenyl cyclase 活性について
- 秋季におけるヒト白血球内活性アミンの蛍光輝度の日内変動
- 精神疾患を有する患者の白血球内CatecholaminesおよびSerotoninの変動
- 白血球および血小板の蛍光輝度に対するβ-blockerおよびβ-stimulantの影響
- 妊娠ダイコクネズミへのthiethylperazine-maleateによる胎仔における異所的癒合症
- 持久力を高めるなわとび運動の指導に資する研究
- Cis-DDPの腎毒性に関する研究 : Elastaseによる腎毒性軽減の試み(第3報) : 第51回東部総会
- Cisplatinの睾丸毒性に関する研究 : Elastaseの抑制効果 : 第74回日本泌尿器科学会総会
- Cis-DDPの腎毒性に関する研究 : Elastaseによる腎毒性軽減の試み(第2報) : 第74回日本泌尿器科学会総会
- 幼児の科学する心の育ちを大切にした保育
- あとがき
- 今後の課題
- 評価の実際
- 教育課程の評価についての基本的な考え方
- これまでの研究の経過
- あとがき
- 今後の課題
- 教育課程の編成
- 本年度の取り組み
- 研究の基本的な考え方
- 081高D14 競技種目別にみたインターハイ選手のPWC_
- 1.人馬尾神経に分布する動脈系に関する研究(脊髄損傷)(第21回日本リハビリテーション医学会総会)
- 20.冠動脈の形態学的研究 : 冠動脈内膜面にみられる皺嚢様特殊構造 : 第41回日本循環器学会学術集会 : 虚血性心疾患
- 106.足関節運動器(ジャイロ)について : 運動時の筋電図学的検討 : 運動生理学的研究 : 第35回日本体力医学会大会
- 幼児の有酸素的作業能に関する研究(1)
- 大腿筋筋腹の位置に関する解剖学的,計測学的研究
- 受験に伴うディトレーニングが中学男子サッカー選手の形態, 身体組成, 体力に及ぼす影響について
- 中高年サッカー愛好者の試合中の移動距離に関する研究
- 心拍数からみた中高年サッカーの生理学的運動強度
- 高校スポーツ選手の最大下作業能
- 心拍数からみた女子サッカーの運動強度
- へき地に居住する思春期前児童の身体活動水準に関する研究
- 大腿筋における神経入口部の位置に関する解剖学的,計測学的研究
- 大腿の筋の神経入口部と筋腹に関する解剖学的研究(その2) : 性差,年令差の検討および生体との比較
- 14. 大腿筋の神経入口部と筋腹に関する計測的研究 : 第63回日本体力医学会関東地方会
- 日本の農村における幼児及び青少年(4-18歳)の有酸素的作業能の発達に関する研究
- 3-18歳における有酸素的作業能力の発達に関する研究
- 3-6才児の最大酸素摂取量
- 小学校低学年児童の最大酸素摂取量--3年間の縦断的研究から
- 夜間高校定時制生徒の有酸素的作業能に関する研究
- 夜間定時制高校生の有酸素的作業能について : 8. 発育・発達に関する研究
- 61. 「青少年の有酸素的作業能力の発達について」
- まえがき
- まえがき