視聴覚刺激に対する運動能力の研究 : 第4篇 警音に対する規定運動能力
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概要
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標準体位をもつ男女小学・中学・高校生の各学年にわたる実験対象が,警音刺激に対してある規定運動を行なった際の,総合時間・身体反応時間・運動時間に就いて次のごとき実験成績を得た.1. 男子の総合時間は小学1〜2年生178.9(単位1 / 100 秒,以下省略)〜168.9で著しく大きいが,小学3年生になると120.9と急減し,以上高校3年生82.3まで逐次漸減傾向を辿る.身体反応時間も総合時間とほぼ同様な状況を示すが,運動時間は小・中学生を通じて有意差を認めず,高校に及んで明らかに短縮を示した.2. 女子の成績も男子の成績とほぼ同様な傾向を示し,総合時間は小学1〜2年生179.0〜173.1で小学3年生では135.7と急減し,以上高校3年生92.7に及んだ.3. 男女の成績を比較するに,総合時間は小学1〜2年生では全く差異を認めないが,小学3年生以上に於いて各学年に,常に男子は女子よりも小さい値を示した.身体反応時間も小学1〜2年生を除くの他,男子は女子よりも小さい値を以て高校生に及んでいる.男子高校3年生は小学1年生の35%に,女子高校3年生は小学1年生の48%に短縮する.運動時間は小学1年生から高校3年生まで,殆ど学年毎の差異は認められなかった.又男女高校3年生は共に,小学1年生の数値の61%に短縮した.4. 幼弱者が一般に交通災害を受けやすいことの原因は,男女ともに新大半の時間の長大な点に帰せられよう.身体反応時間の大きい女子が一般にそれらの小さい男子より災害を受けることが尠ないことは一件矛盾するようであるが,その点についてもいささかの考察を与えた.
- 1960-08-01
著者
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