学校文化と登校拒否(III-4部会 教育指導(2))
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概要
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近年主要な教育問題のひとつとして関心の集まっている登校拒否(不登校)現象については、様々な形で説明がなされ、社会的に流通している。それらは、子ども個人の気質や性格的弱さに原因を求めるもの、親を中心とする家庭内の病理や問題に原因を求めるもの、学校のあり方や教師による指導に原因を求めるもの、そしてマクロな社会的要因や風潮に原因を求めるものに分けられる。このうち、子ども個人の問題として原因を説明する論理は、ある種の精神病理が学校へ行かないという形で発現したものなど、妥当するケースもないわけではない。しかし、例えば気質やパーソナリティに原因を求めても、それが社会的に形成される過程を捨象していること、さらに近年登校拒否の子どもが増えていることを説明できないという限界がある。またマクロな社会的要因による説明は、逆に近年増加していることに対して一定の説明力を持っても、それが個々のケースにおいてどのように作用しているかを明らかにできないという弱点がある。そこで本報告では、ミクロ-マクロという軸をとれば個人/社会両要因による説明のいわば中間に位置する、家庭内の要因による説明と学校内の要因による説明に焦点を当て、小・中学生対象の質問紙調査のデータをもとに考察を行う。
- 日本教育社会学会の論文
- 1992-10-09
著者
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