ストレス事態に関する思考の制御困難性と関連する対処方略 : 情報回避・情報収集・解決策産出と心配
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
心配は, 制御困難な思考であると同時に, ストレスへの対処方略でもある。本研究では, 心配がどのような性質の対処方略なのかを調べるために, 情報回避, 情報収集, 解決策産出という3つの対処方略とストレスに関する思考の制御困難性との関連を検討した。成人134名を対象とした質問紙調査の結果, 情報回避, 情報収集, 解決策産出のいずれもが思考の制御困難性を増強し得ることが示された。さらに, この関連はそれぞれの対処方略のもつストレス低減効果とは独立であった。また, 性格特性によって, 対処方略の使用が思考の制御困難性に及ぼす影響が異なることが分かった。結果を, 心配のメカニズムのモデルに照らして考察し, 問題焦点型対処に分類される情報収集と解決策産出については, 動機的な要因による思考の持続が思考の制御困難性を規定するのに重要である可能性を示唆した。
- 2001-06-30
著者
関連論文
- 抑うつ尺度の因子構造 : 逆転項目と抑うつ的項目は同一次元を形成するか
- 大学生における非機能的な思考体験の因子分析による分類 : 強迫観念と自動思考の弁別
- 心配の問題解決志向性と制御困難性の関連
- 強迫性障害への認知行動アプローチ : 概観と展望
- パーソナリティ研究における説明水準 (9 パーソナリティ心理学に認知科学の知見は組み入れられるか : 両者の相性はなぜ悪いのか?)
- ストレス事態に関する思考の制御困難性と関連する対処方略 : 情報回避・情報収集・解決策産出と心配
- PF36 心配の制御困難性を予測する認知的対処方略 : 情報回避・情報収集・解決策産出
- 心配の認知的メカニズムの研究 : ストレス対処の観点から(教育心理学関係博士論文要旨)
- 心配への認知的アプローチ : 能動性に着目して