知覚活動の制御下における視覚的認知像に関する研究
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概要
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本研究では,認識の起源を行為・活動に求めるPiagetやWernerの認知発達理論や乾孝ら(1978)の立式を根拠に,以下の諸点が検討された。(1)同一図形に対する知覚活動を被験者間で変化するとき,その認知像は異なったものになるという仮説。(2)正確な認知を行うものの知覚様式をとり出すこと。(3)(2)で得られた知覚様式を他の被験者に,実験的に与えたとき,認知像が,正確なものに近づくという仮説。(4)幼児について仮説(1)を検討する。(5)その際,幼児特有の自己中心性に関係する現象が,あらわれるかどうか。主な結果は以下の通りであった。(1)(3)(4)については,幾何学図形を課題とし,成人被験者については,仮説の成立が確かめられた。(2)については,数学的移動群の構造を持つような知覚様式が見出された。(5)については,幼児特有の現象を見出し「逆転視」と名付けた。逆転視は次のような特徴を持つ。(a)3歳児に多くみられ,知覚活動の制御条件のとき,とりわけ多いこと,(b)逆転視は年齢上昇と共に漸減してゆく,(c)知覚活動を零にした場合は,6歳前半になっても減少しないこと,などである。
- 日本教育心理学会の論文
- 1980-06-30
著者
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