上肢障害に対する可橈性プラスチックキャストの応用

概要

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今回使用したプラスチックキャスト材は, 1)硬化後も可橈性をもつ, 2)はさみで容易にトリミングできる, 3)装着感が良好である, などのユニークな特徴をもつ.本材を上肢, 特に手指障害患者43例(末梢神経麻痺31例, 慢性関節リウマチ12例)に使用した.末梢神経麻痺患者には, 術後, 麻痺筋を補助するように本材にてキャスティングを行い, ベルクロテープを取り付けて着脱可能となるようにした.これらの症例では正常な筋と麻痺筋とが混在しており, 従来のギプスでは微妙な調節が不可能であった.しかし, 本材を使用し, 適当なトリミングを加えることにより正常な筋機能を損なうことなく麻痺筋をサポートすることが可能となった.また, 慢性関節リウマチ患者の特有な手指変形における装具としてはそれぞれの変形を矯正し, かつ手指によくフィットする必要があるが, 本材は可橈性をもつためそれが可能で, しかも着脱が容易で装着感も良好であり, 満足度も高かった.
社団法人日本リハビリテーション医学会の論文
1995-09-18