地方自治体の情報システム共同開発 : 介護保険事務処理システムの事例比較
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
多くの自治体は、介護保険制度の事務処理を担う情報システムを独自に開発している。その中に少数であるが、複数の自治体と開発事業者が、共同で仕様等の検討を行い開発した例がある。これらの例では従来の個別開発方式と違い、開発の体制や方法、運営管理等に特徴がある。新しい共同方式は、介護保険システムの開発にとどまらず、行政情報ネットワークの基盤整備や広域行政の情報化推進のモデルとなる。ここでは3事例を、自治体のエンドユーザー部門の立場から、共同開発推進組織の運営管理の視点により、比較し分析する。共同開発組織の構成団体としては、市町村と開発事業者のほか、都道府県が参加する構成もみられた。組織の構成や運営管理は、組織発足の契機、構成団体数、地理的条件、開発の推進力となる組織の所在等により違いがある。共同開発を推進した大きな要因は、介護保険制度が新規の事務であり短い時間で開発し確実に稼動させなければならないという背景であった。参画型推進組織の設置と運営がなされたことも参画意欲を促進させた。今回の事例に見られる共同開発推進組織の構成や運営は、今後広域の自治体における共同開発方式の枠組みや方向性について示唆を与えている。
- 一般社団法人社会情報学会の論文
- 2000-09-30
著者
関連論文
- 日野市役所におけるエンドユーザーによるパソコンの利用状況に関する調査研究
- 日野市における情報セキュリティ内部監査の状況
- 地方自治体におけるECU推進のための環境とその整備状況
- 日野市役所における情報化推進の現状と課題
- 地方自治体の情報システムの共同運用管理 : 介護保険事務処理システムの事例
- 地方自治体の情報システム共同開発 : 介護保険事務処理システムの事例比較