アロール島の民俗経済学
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概要
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当論文は, 文献調査によるアロール島アブイ語を話す民族における集団化の理論の分析を目的とする。アロールにおいては, 集団内の関係(即ち集団の定義), 集団間の関係は, 親族の用語を以て定義される。その様に定義された関係を有する集団・個人はその関係に適当な経済的やり取りをすることが期待される。我々は, 親族理論を(アロールの集団理論の)主理論と呼び, 経済理論を従理論と呼ぶ。なぜならば, 文化の説明枠組の中において, 親族理論によって規定された関係が, 経済理論によって規定された関係を生成/説明する, とされるからである。文化の実践における説明・記述において, しばしば上記の論理的先行性が逆転する。しばしば, 従理論による関係が主理論による関係を生成/説明する。更に, 理論的強度においても従理論が主理論を上回る。アロールにおいて, 従理論によって生み出される関係は, 主理論によるもの以上の強力な類別を行なっている。
- 日本文化人類学会の論文
- 1989-06-30
著者
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