寛正五年糺河原勧進猿楽追考(一) : 横川景三「青松院春盛老人像賛」を読む
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概要
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寛正五年(一四六四)に行われた京糺河原勧進猿楽の勧進聖については、従来説はその名表記にも揺れがあり、その伝記も知られていなかった。五山禅僧の横川景三の「補庵京華外集」上に「青松院春盛老人像賛」と題する絵賛があり、勧進聖であったこの人物の略伝が知られる。この資料によって、勧進聖が鞍馬寺薬師坊の青松院春盛と確定できる。春盛没年の次年に著されたこの絵賛を読み解くことによって、その略伝を確認するとともに、景三は提供された資料に、疑問をもちながらも忠実に叙述していると考えられること、それは同様に五山禅僧によって多く作られた絵賛に共通する特徴で、その故にこれらの絵賛には資料性が認められることを述べた。
- 文教大学の論文
- 2005-09-01
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