中学校の絵画学習における模倣と創造に関する考察

概要

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近年の教育課程の改訂によって、学校教育では表現力や創造力の育成が強調されてきた。総合的な学習の開設にように児童・生徒が自ら調査したり、考察したり、発表したりすることによって、児童・生徒の主体性や自主性を育むことを目的としているのもその現れである。こうした状況に対して、美術教育は徒前から「表現力」や「鑑賞力」を育成し、個性の伸長をはかってきた。むしろ、これらの能力の伸長のための具体的な方法論を軽視してきたともいえる。創造性や表現力は児童。生徒の個人に委ねる部分はあるが、それらの能力を伸長するためには、具体的な方法と手だてが必要である。それは、基礎的な内容を教え込むという、つめ込みの教育としてではなく、個々人の能力育成のための手段として、具体的方法論を設定するものである。このような観点から、本稿では中学校における絵画分野の学習を事例として、創造力や表現力の育成の手段のひとつとなる模倣をとり上げて、その効用について具体的に述べるものである。題材としては「自画像」と「風景画」をとり上げ、生徒の表現力の育成のために参考作品を提示し、その表現技法等についてヒントとなるような設定を行った。模倣を単に目的とするのではなく、個性的な表現のための手だてとして位置づけ、具体的に考察を行った。

中学校の絵画学習における模倣と創造に関する考察

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