ダイズ(Glycine max (L.) MERR.)の開花に及ぼす短日処理の効果の植物齢による変化とその品種間差異
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概要
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日本及び南米低緯度地方に栽培されるダイズ8品種を用いて,齢の異なる植物に短日処理を行い,開花まで日数,主茎本葉数の増加を観察し,その品種間差異を調べ,以下の結果を得た.(1)播種後13〜33日の植物を12時間30分の日長で処理したところ,植物齢の増大とともに開花まで日数及び処理後に分化した本葉の数は減少し,減少の程度には品種間で差がみられた.(2)播種後13〜33日の植物を上位展開葉2枚を残して摘葉し,摘葉しなかった植物とともに,12時間及び12時間30分の日長で処理したところ,開花まで日数は齢,日長により変化したが,摘葉の有無に関わらず植物はほぼ同時に開花した.(3)初生葉(対生葉)の葉腋から2本の枝を伸長させた植物の一方の枝に,播種後7日目の植物を割っ接ぎし,穂木または台木の葉を残した植物を12時間日長で処理したところ,穂木は台木とほぼ同時またはより早く開花した.(4)播種後13日及び33日の植物を,11時間から12時間30分の日長で処理したところ,最小開花まで日数とその齢による差によって,供試品種は3群に分類された.以上の結果から,これまでの報告されていたように,ダイズ植物における短日による花成誘導の大きさは齢とともに増大することが確認された.また,この齢による差異は上位にある葉の短日に対する感応性のちがいによつ決定されること,及び,低緯度地方に栽培される品種には,短日による花成誘導の効果の齢による差が大きいものがあつ,これは品種の適応性にとって意味を持つことが推定された.
- 日本育種学会の論文
- 1990-12-01
著者
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