放射線によるWs(pbg)遺伝子のNicotiana plumbaginifoliaよりN.tabacumの種間移行 : II.配偶子形成期の照射による遺伝子種間移行頻度の推定
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概要
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Nicotiana tabacum(n=24)の1そろいの染色体に、N.plumbaginifoliaの染色体が1本付加されている系統を用いて、実験を行なった。この系統では、tabacumの劣性白子遺伝子(ws)がホモになっていて、付加されたplumbaginifoliaの染色体上には、wsに対する優性遺伝子(Ws(pbg))が座を占めている。付加された染色体は体細胞分裂の過程でしばしば失なわれるため、この系統の植物の葉は斑入りとなる。しかし、Ws(pbg)がtabacumの染色体に転座(種間移行)すると、葉に見られる斑点の頻度は極めて低くなる。上述の植物が開花を始めたとき、1.2kRのガンマー線を蕾に照射し、無照射の同一染色体構成の植物との間に、照射後2週間にわたって相互交雑を行なった。次代の植物における葉上の斑点頻度を調査し、斑入りの程度の低い植物について、花粉母細胞減数分裂時の染色体を観察して、Ws(pbg)が種間移行しているかどうかを決定した。その結果について最尤法を適用したところ、照射を受けた植物から花粉を通して次代に伝えられるWs(pbg)の16.6%が、また同じく胚のうを通して次代に伝えられるWs(pbg)の6.4%が、種間移行していることが推定された。
- 日本育種学会の論文
- 1969-04-30
著者
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