親子相関と選抜反応に基づくオオムギの発芽時耐塩性の遺伝率
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概要
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オオムギの発芽時における耐塩性の親子相関と選抜反応を調べるために、発芽時の耐塩性が極強(0UJ417,OUK666)と極弱(OUE211)の品種を交雑親とするF_2〜F_4世代を供試し,250mMの塩化ナトリウム溶液を用いて置床後10日目の幼芽長で耐塩性を評価した。OUJ417/0UE211と0UK666/OUE211のF_2,F_3,およびF_4世代の発芽時における耐塩性はいずれも連続変異を示し,耐塩性には複数の遺伝子が関与していると考えられた。2交雑組合せの親子相関(標準尺度における遺伝率)はF_2/F_3ではO,5程度,F_3/F_4では0.6〜0.7であった。また.選抜差と選抜反応から推定した遺伝率はF_2/F_3でO.2〜0.4,F_3/F_4でO.8〜O.9であった。発芽時における耐塩性は優性効果が大きいにも拘わらず(Mano and Takeda 1997a),その遺伝率はF_3/F_4世代においても比較的高かったので,選抜効果は世代が進むに伴いさらに高まると期待される。我々が選抜した発芽時耐塩性の遺伝資源(Mano et al. 1996)を交雑親に用いることによって,本形質の選抜は比較的容易に出来ると思われる。
- 日本育種学会の論文
- 1997-12-01
著者
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