安徽省におけるハイイロオオカミの日中共同研究顛末記
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概要
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1996年12月から1997年12月までの1年間, 中国安徽省のハイイロオオカミ(Canis lupus)の生態と保護に関する日中共同研究を行った.中国では, 大型食肉類の中でハイイロオオカミのみが保護動物に指定されておらず, 絶滅が懸念されているが, その生態についてはほとんど知られていない.痕跡調査とテレメトリー調査のための捕獲を試みたが, オオカミの密度が低いこと, 捕獲場所に制限があることなど様々な研究上の問題に直面した.行政資料の分析, 聞き込み調査の結果, 安徽省においてはハイイロオオカミの個体数は1980年代以降に急激に減少していることが明らかになった.その要因としては, 耕作地や林場の拡大で引き起こされた生息地の破壊などによる餌動物の減少が考えられた.
- 1998-08-31
著者
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金澤 文吾
NPO法人 四国自然史科学研究センター
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金澤 文吾
東京農工大学野生動物保護学研究室
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金澤 文吾
Npo法人四国自然史科学研究センター
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金澤 文吾
東京農工大学大学院連合農学研究科野生動物保護学研究室
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