カキ緑枝挿しの発根に及ぼす要因について
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概要
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カキ2品種('次郎'および'西村早生')の緑枝挿しの発根に及ぼす種々の要因について調査した.組織培養樹のひこばえ由来の挿し穂は, 他の材料由来の挿し穂よりも良好に発根した.組織培養樹の新しょう由来の挿し穂は, 実生台接木樹の新しょう由来のものより良好に発根した.接木樹由来の挿し穂を除いて, 短い挿し穂ほど, 発根率は高かった.ひこばえ由来の葉芽挿し穂にIBA処理を行い, 6月下旬に挿し木すると, 70%の発根率が得られた.しかし, 7月下旬あるいは8月下旬に挿し木すると, 発根率は40%未満であった.IBA処理を行わなかった葉芽挿し穂は, 6月下旬に挿すとほとんど発根せず, 7月下旬あるいは8月下旬に挿すと全く発根しなかった.発根率に品種間差は認められなかった.挿し木実験中, ひこばえ由来の葉芽挿し穂のほどんどは生存していたが, 接木樹の新しょう由来の葉芽挿し穂は徐々に枯死していった.また, ひこばえ由来の長さ25cmの挿し穂は, 挿し木後25日目までにすべて枯死した.ひこばえ由来の葉芽挿し穂の維管束形成層は挿し木後, すぐに細胞分裂を始めた.また, カルス組織が師部や皮層で形成され, 広範囲に発達した.しかし, 接木樹の新しょう由来の葉芽挿し穂やひこばえ由来の長さ25cmの挿し穂では活発な細胞分裂は観察されなかった.ひこばえ由来の葉芽挿し穂では, 維管束形成層内に分化した不定根始原細胞群が, 挿し木後20日目に始めて観察され, 挿し木後30日目には挿し穂の外部に根となって出現した.
- 園芸学会の論文
- 2001-05-15
著者
-
鉄村 琢哉
宮崎大学農学部植物生産科学講座
-
鉄村 琢哉
宮崎大農学部
-
鉄村 琢哉
京都大学大学院農学研究科附属農場
-
田尾 龍太郎
京都大院農学研究科
-
杉浦 明
石川県立大設立準備室
-
田尾 龍太郎
京都大学大学院農学研究科
-
杉浦 明
京都大学大学院農学研究科
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