養液栽培における培養液濃度がイチジクの生長と果実品質に及ぼす影響
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概要
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イチジク'桝井ドーフィン'を用い, ロックウール底面給液と潅水チューブによる給液を併用した非循環閉鎖型養液栽培システムにおいて, 挿し木1年目から年間に2作をする栽培体系の検討を行った.第1作は1月10日に挿し木し, 2月24日に定植した.培養液濃度はEC 1.8 dS/mと2.4 dS/mを与えたところ, 第1作の収穫を打ち切った6月30日まで貯溜水槽のECは両区ともしだいに上昇しそれぞれ9.5と10.1 dS/mとなった.培養液濃度がEC 2.4 dS/m区ではEC 1.8 dS/m区に比べ吸液量の増加速度が劣った.5月上旬からEC 2.4 dS/m区の給液濃度を0.6 dS/mに低下すると吸液速度も促進された.最上位の葉面積は吸液量の少ないEC 2.4 dS/m区で特に劣った.収穫初期の果実重は, EC 1.8 dS/m区およびECを0.6 dS/mに変化させた区において大きかった.糖度は逆にEC 2.4 dS/m区が他の2区よりも高かった.6月30日に切り戻しせん定すると, 12日後に再発芽した.しかし, 10節目まではほとんど着果せず, 11月16日が収穫開始日となり, 12月28日までには大部分の果実が収穫された.最上位の葉面積, 果実数, 果実重および糖度ともいずれも第1作には及ばなかった.また, 9月からECを0.3 dS/mに低下させると裂果が多発した.
- 1998-05-15
著者
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小野 浩
京都府農業総合研究所
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寺岸 明彦
京都府山城園芸研究所
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神原 嘉男
京都府山城園芸研究所
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小野 浩
京都府山城園芸研究所
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寺岸 明彦
京都府農産流通課
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神原 嘉男
京都府京都乙訓農業改良普及センター
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