連続戻し交配による抵抗性育成系統のトビイロウンカ生息密度抑制効果
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概要
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トビイロウンカ抵抗性の日本型品種を育成するのには,抵抗性遺伝子源のインド型品種に多くの戻し交配を行う必要がある。育成初期に得た系統でウンカに対する抗生作用(Antibiosis)-虫の生存率,羽化率,虫体重の低下や,羽化迄日数の増大など-の程度が遺伝子源品種より弱まったと思われたので,戻し交配を継続すれば抗生作用程度はかなり低下するか否かを確かめる必要があった。また抗生作用の弱まり方に抵抗性遺伝子Bph1とbph2との間に差があるようにみえた。以上の点を確認するために,両遺伝子型について,近似的isogenic系統を含む各種の育成段階の系統を用いウンカ抵抗性を要因別に検討した。 まず反復親の日本品種とB_0〜B_1,B_6〜B_7の2育成系統との第6本葉期のイネに成虫を放飼して7日間自由に産卵させた。Bph1,bph2の両群とも,日本品種と育成系統との間に着生成虫数,ふ化幼虫数に差があった。Bph1の群では1〜0.5%水準の有意差,bph2の群では5%水準の有意差で,戻し交配回数による差はいずれの群でも認めなかった(第1図)。
- 1982-06-01
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