トビイロウンカの3種のバイオタイプによる抵抗性イネ品種の検索と遺伝子型分類
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概要
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イネのトビイロウンカ低抗性の遺伝的基盤を拡げる目的で,世界のイネ品種系統3,287を主として昆虫飼育室内で,野生型ウンカ(バイオタイプI)を用いた集団幼苗検定法により抵抗性検索を行なった。わが国の赤米,香稲を含む各地在来品種,朝鮮半島,台湾,中国,フィリピン,インドネシア,西アジア以西,アフリカ,南北アメリカ,オーストラリアからは抵抗性遺伝子源品種は検索されず,低抗性品種は主にスリランカ,南インドに集中し,北インド,ビルマ,タイに少数発見された。日本在来赤米品種には数日間の幼苗検定で耐性を示すが,長期にわたると弱反応を示すものカミあり,この反応型はアジア各地のイネに広く見られるが,他の地域には見られない。バイオタイプIに対する抵抗性品種系統のうち,抵抗性目的の育成系統を除いて,バイオタイプII(低抗性遺伝子Bph 1をもつ`Mudgo'または育成系統`F_8 262'上で継代飼育選抜したウンカ)とバイオタイプIII(遺伝子bph 2をもつ`ASD 7'上で継代飼育選抜したウンカ)で低抗性の再検索を行なったところ,既知の抵抗性遺伝子型の品種は一定の反応型を示した。バイオタイプII,IIIに弱・強,強・弱,強・強の反応型を,それぞれ1,2,3と分類Lたとき,それぞれの反応型.の品種はBph 1品種群,bph 2品種群,およびその他の品種群に属するものと考えられる。
- 日本育種学会の論文
- 1981-06-01
著者
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