イネにおける障害型耐冷性と花器形質との関係 : II. 分離世代における花器移質と障害型耐冷性との関係
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概要
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全南風(障害型耐冷性弱)×染分(同極強)のF_2およびF_3を用い葯長,柱頭長と障害型耐冷性との関係について検討した。以下の2方法によって両形質の関係を推定した。(1)F_2で測定した葯長および柱頭長とF_3系統で評価した障害型耐冷性の程度との関係から推定する方法。(2)F_2個体を分けつ期に株分けし,同一遺伝子型を有する株分け個体の葯長,柱頭長と障害型耐冷性の程度との関係より推定する方法。その結果(1)の方法においては葯長と不稔指数(arcsin√<不稔歩合>)との間に,(2)の方法においては葯長,柱頭長と不稔指数との間に,それぞれ負の相関関係が認められた。また,いずれの方法においても葯長と柱頭長の積と不稔指数との間に負の相関関係が認められた。不稔指数(y)の葯長(x_1)および柱頭長(x_2)に対する重回帰式y=122.944-17.462x_1-45.877x_2から葯,柱頭ともに長いものは,葯あるいは柱頭のみが長いものより障害型耐冷性の程度が高くなることが示された。不稔指数に対する葯長,柱頭長の寄与率は約35%(R^2=0.3449)で両形質を障害型耐冷性の1つの指標として用いることができる。
- 日本育種学会の論文
- 1982-03-01
著者
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