耐塩性イネ品種の育種 : III.水稲品種Jhona349 と Magnolia との正逆交雑によるF_1雑種の塩処理に対する反応
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概要
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水稲品種Jhona349とMagnolia間の正逆交雑によるF_1雑種と両親品種の塩処理に対する反応を比較した。供試材料の栽培は1971年,ガラス室内でポット水耕法によった。基本培養液のみの対照区と基本培養液に塩化カルシウムと塩化ナトリウムが等量ずつ添加された塩濃度4,000ppmの処理区を設けた。 草丈についてF_1個体は対照・塩処理両区で雑種強勢の現象を示した。出穂期・穂長・穏当りの第1次枝梗数・穂当りの小穂数についてのMagnoliaの特徴は雑種F_1世代に優性的に発現した。 塩処理区で遅発性全穂不稔性がMagnoliaの全供試個体に発現したが,Jhona349と雑種F_1には発現しなかった。この現象はMagnoliaが塩処理によって示す遅発性全穂不稔性を支配する劣性遺伝子の存在を暗示している。供試両品種間の正逆交雑によるF_1雑種の全調査形質に示された塩処理に対する反応には細胞質の影響は認められなかった。
- 日本育種学会の論文
- 1975-08-30
著者
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