耐塩性イネ品種の育種 : I.イネ数品種間にみられる耐塩性に関する変異性
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概要
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栽培稲4品種Bluebonnet、IR 8、Jhona 349およびMagnoliaの耐塩性を1970年の夏、ガラス室内で水耕培養法によって検定した。塩の濃度は塩化ナトリウムと塩化カルシウムを等量宛、基本培養液(硫酸アンモニウム 71.0mg、硫酸マグネシウム 61.2mg、硝酸カルシウム 58.4mg、燐酸カリウム 24.5mg、硫酸カリウム 12.2mg、クエン酸鉄 10.8mg/l)に添加することによって、1,000;2,000;3,000;4,000および5,000ppmとした。塩処理は材料の移植2週間後から開始し、収穫まで継続した。培養液のpHは6とした。供試各品種の塩に対する相対的な耐性には大きな差異が認められた。一般的傾向として、塩処理は栄養生長に対するよりは生殖生長に対してより大きな害を与えることが認められた。また、塩処理に対して各調査形質は互いに独立した反応を示すことが明らかにされた。Jhona 349は個体当りの有効分げつ数、穂重および着粒歩合については耐性を示したが、わら重、根重、根長、一穏当りの第1次枝梗数については感受性を示した。他方、Magnoliaは塩処理に対して、これとは対照的な反応を示した。このように品種間、形質間に耐塩性に関して差異が認められるので、これらの変異性は耐塩性新品種育成に役立つであろう。
- 日本育種学会の論文
- 1972-10-31
著者
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