イネ属の人為倍数体に関する細胞遺伝学的研究 : 第7報 Oryza australiensisの同質3倍体と4倍体について
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概要
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オーストラリヤの固有種である野生稲、O. australiensisはコルヒチンに敏感で薬害を受け易く、これまで他種に適用して成果をあげてきたCUAの方法(1950)では倍数体を作り得なかったが、SCHUMANNの方法(1960)を用いて高濃度で長時間(0.5%で120〜150分)処理することにより、同質3倍体と4倍体を得ることができた。根端で前者は36個、後者は48個の染色体が数えられ、花粉母細胞第1分裂中期では染色体接合型のモードとして、前者3倍体で11_<III>+3_I(38%)後者4倍体で5_<IV>+14_<II>(31%)がそれぞれ観察された。3倍体の花粉稔性は約30%と計算されたが種子は1粒も得られなかった。4倍体は花粉稔性も高く(約70%)、葯は裂開して花粉を飛散させたが、種子は4個体からただ1粒得られたにすぎなかった。
- 日本育種学会の論文
- 1973-08-31
著者
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