栽植密度と選抜の効率
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概要
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1.秋播小麦ドーソン1号とPurcamの雑種集団をF_5.代迄集団で維持し,F_6,F_7代をa:3.7? 3条播(普通栽培),b:4.5cm 2条播及びc:9.Ocm千鳥植(系統栽培)の3種類の栽植密度で栽培で、各区毎に収量に対する選抜を実施した。2.F_6代で各区とも1,000個体宛栽培し,上位10%の個体を残し,F_7代では2回反復の設計で,系統の収量を比較,それぞれ上位20%の系統を選出、F_8代でそれら60系統を普通栽培し,収量比較試験を行つた(第1表)。3.その結果,c区選抜した系統群は,平均して他の区のものに比し多収で,その差統計的に有意義と認められた(第2表)4.F_7系統の平均収量の、F_6固体当りの子実量に対する回帰を算出したところ,c区でO.1247と他区に比しやや高い価がえられ、こ価は1%水準でゆういぎであつた(第3表)。このことは,疎植条件が多収固体の選抜に有利な環境であつたことを暗示している。5.F_8の成績に基き共分散文析を行い,収量と穂数及び冬損程度の間の表現型相関と遺伝相関を算出したところ,穂数とは正の,冬損程度とは負の高い遺伝相関がえられた(第4表)。このことに関して,穂数の多少に関する個体又は系統間の差異が,疎植条件下で明瞭になり、多収な系統の選抜に貢献したものと推察した。6.選抜の効率を高める条件を挙げ,効率の向上と遺伝力,遺伝分散との関係を論議した。
- 日本育種学会の論文
- 1959-06-25
著者
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