イネの第3連鎖群(第3染色体)に座乗する新しい配偶体遺伝子

概要

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標識遺伝子型系統であるH-50(CB,A,Pn+,lax+,d-18h)と他の数種の標識遺伝子型系統とを交雑したF_2集団で,第3連鎖群(第3染色体)に所属するA(アントシアニン活作化),Pn(茎葉節紫色)とd-18h(豊雪矮性)遺伝子の異常分離を見出した.A遺伝子座については,Ad,A+の劣性遺伝子が過剰となり,Pnとd-18h遺伝子では劣性遺伝子が過少分離を示した.戻し交雑の結果と,F_1が良好な種子稔性を示したことから,Aとd-18hの異常分離は花粉の受精競争に起因するもので,配偶体遺伝子の関与していることが判明した.H-50はAとd-18h遺伝子座に関して優性遺伝子を有しており,F_2集団でA遺伝子座の劣性遺伝子が過剰となり,また,d-18h遺伝子が過少となったことから,Aとd-18hの異常分離にはそれぞれ別の配偶体遺伝子が関与していることは明らかであった.したがって,Aとd-18hに連鎖する配偶個体遺伝子をga-7(t),gaとした.中川原(1981)は既に,第3連鎖群(第3染色体)にga-8が座乗し,eg,lax,d-10と連鎖していることを報告した.
日本育種学会の論文
1985-03-01