キウリにおけ.る性表観の実験的変化 : I.キウリの強雌・強雄両系統間の接木
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概要
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「加賀節成」から分離した強雌・強雄の両系統間に4回の接木試験を行ない,雌雄花の着生の変化を調査した。第1試験は連続雌花になつた16〜17節の葉柄に子葉展開直後の実生を接ぎ,先端部は切断した。第2試験は強雌・強雄両系統の7〜8葉期にその先端を切断し,交互に接ぎ替えた。第3試験は第2試験の接木に失敗した株に,強雌雄両系統の子葉展開直後の実生を接木した。第4試験は3葉期にこの両系統の先端を切端して側枝を出させ,伸長の最も良い第2節の側枝にこの両系統の実生を接木した。接木の成功率は台木として葉柄より蔓の先端の方が良く,接穂として蔓の先端の生長部よりも実生の方が高かった。子葉展開直後の実生を接穂とした何れの試験においても性表現に変化が認められたかった。他方蔓の先端の生長部を接穂として接木した場合は同じ系統内の接木の方が成功率が高く,強雄系統を接穂とした雄花叢に両性花が発生した。これは接穂の先端部にある雄花となる原基が生理的両性花期にあり,活着までの不安定な条件により変化したのであろう。
- 日本育種学会の論文
- 1966-12-25
著者
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