幼穂エクスプラントにおけるイネの障害型不稔 : 第1報 幼穂エクスプラントの培養法
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概要
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障害型不稔の生理的機構の解析, あるいは不稔防止法探索の研究手段を開発するため, 冷温感受性期の幼穂エクスプラトンの培養法を検討した. 冷温感受性期の幼穂を含む穂孕期の茎を, 止葉の前の葉の節の1.5cm下から切りとり, 止葉とその前の葉身を種々の程度に切除して6種類のエクスプラトンを作つた(第1図). これを1lの培養液(N,P_2O_5, K_2O, C_aO, M_gOそれぞれ10PPmと微量のFeを含む)を満した1/5,000アールポットに入れ, ファィトトロン人工照明室(昼23℃-夜18℃)で培養した. 幼穂エクスプラントの発育は葉身の切除程度によつて異なり, 葉身を多く残したものほど発育した頴花数は増加したが, 稔実歩合は逆に低下した. エクスプラントD(止葉の前の葉の葉耳のところで, 止葉の葉身の先端部分と止葉の前の葉の葉身全部を切除したもの)は幼穂下部の頴花の退化により発育頴花数は12〜13粒にとどまつたが, 稔実歩合は80%以上で最も安定していた. この試料を培養開始と同時に冷温処理すると, 処理日数に比例した不稔を誘起することができ, 障害型不稔研究の一手段として, 幼穂エクスプラントを利用できることが確認された
- 日本作物学会の論文
- 1976-03-30
著者
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